2014/10/20

SIGMAから・・・

・・・SD14とレンズが 修理を終えて、先日帰ってきた。
が、いつもの定点を撮って休んでしまったので、改めて報告分を撮影・・・


直った17-70mm f2.8-4.5

レンズボディの表面処理が元々のと異なりマットな塗装は施されていないので、部品としては後発タイプと思われる。
元の塗装ありのモノは 高級感こそあれ 清掃の面で少し難があったので、その点を改良されたのだろう。

で、今回折ってしまっていた部分を治すだけなら、ズームリング側だけを交換すれば済んだのではないかと推察出来るのだが、
恐らくは 外観が ちぐはぐになる事に対しての配慮で、全交換してくれたのだろう。

最前面レンズがついている部分は部品が無かったとのコトで、フードロックの突起の磨耗はそのままになっている。
コレに関しては 前ログの通り、どのメーカーであれ同様 代替的な構造が提供されている製品は存在していない。


SD14本体も、故障箇所であったCFカードスロットのカバー開閉検出スイッチは正しく動作するようになっている。
オーバーホールと AFのフォーカス調整も行って貰えているので、見た目は以前以上に新品同様な印象で、
MFとの差が気になっていた AFのフォーカシングも、適切な状態となっているのを確認出来た。

元々本体も 常設運用しているパワーグリップと同様 大きな傷は無いモノnanoだが、ファインダの接眼レンズだけ
コーティングに傷がついていたりしたので、それが良くなっていて助かっている。

・・・マニュアルフォーカシングするには ファインダに対して しっかり構える必要があるのだが、
コレにより まつ毛が接眼レンズ触れて 夏などは結構汚れてしまう、構造上掃除するには綿棒くらいしか手段が無い・・・
清掃時 相応に配慮していた点を踏まえるに、コーティングの強度は そう高くないモノと考えて良いだろう。
そうした対策としても有効な標準付属の接眼部パーツは 今どのメーカーもカップが浅く、この点ではSIGMA SDシリーズも同様である。

それでもSDシリーズは、他社製カメラの別売り提供されているアイカップで対応出来はするだけマシnanoだが、
SIGMAは そうしたサプライパーツの重要性については まだ正しく認識出来てない傾向が見受けられるのが少し悔やまれる。

他社のように、やたら別売りの小物を増やされても 使う側も やはり困ってしまうワケだが、
こうした 使うシーンで重要なモノへの配慮は、もう少しだけあってもイイのではナイかと感じざるを得ない・・・



ここからは、修理とは違う点から SD14の状態について 触れてみようと思う。


・・・SD14の と云うのは少し語弊があるかな、一眼レフレックスタイプに限らない全てのデジタルカメラで云えるコトではある。
が、手元にSD14しか無く、検証もSD14で行っての意見であり、その表現に関してもSD14の機能に依存する点を踏まえて読んで貰いたいと思う。


今回修理してもらったSD14は、購入当初に200倍速のメモリーカードを利用していた・・・ 
30MB/sec程度の書き込み速度のモノだ。(当時は最速でも400倍速程度だった)

後に今の600倍速の同一メーカー製CFへ移行したのだが、その速度表記どおり、3倍のスピードで動作するようになった。

・・・ここで間違わないで欲しいのは、SD14の処理速度自体は変わっていないし 当然変わりようも無いのだが、
敢えて "書き込み速度が3倍になった"と表記しなかったのには 理由がある。

実際のトコロ、書き込みを秒数測定していない事実もある・・・ それで何故 3倍と明言しているのか いぶかしむのも理解出来る。


因みにWindows端末でSATAⅢ(6.0Gbps)接続でのベンチマークでは、実質3倍だったし、その数字だけ出せばイイハナシなんだが、
ソレは所詮ベンチマークであり、使用時に体感できるシーンで3倍になるという指標にはならない現実があるのだよ。

だったら それこそ、ナニをして3倍と宣っているかイミフな世界だろう。


高画質大解像度な受像素子を持つデジタルカメラで 重要な点は 画像処理プロセッサの処理速度と、
記録媒体へのアクセス速度・・・ 一般でも 体感出来るだけの差がある分 気にされる点だろう。

だが、もっと大事なコトを見過ごされたまま 機器選定を行う向きが多いのだ・・・
それは、起動速度。 カメラのスイッチを入れて 撮影可能になるまでの時間だ。

・・・さて、これこそ真に、ナニをイマサラ な意見と思う向きが大勢だろう。

しかしコレが、2007年前後では 今のようなスペックのハードはなく、コンデジでは要求は満たしようもなかった。
おきつねさまが デジタルスチルカメラを調達しようとした時期では、起動速度ですら 要求を満たせるだけのモノとなると、
デジタル一眼レフレックスカメラ以外に選択肢は無かったのだ・・・

そして、最低限3CCD ないし同等 と云う選定基準を満たせたのは 世界でも SIGMA SD14だけだった。
そのSD14は、1つの点さえ踏まえさえすれば、当時のデジタルカメラでもトップクラスの起動速度を持つ。
が、当時の その重要なサプライパーツは、速度が遅かった・・・(´ヘ`;)

と、ココまで書けは、察しの良い向きは気付いただろう。

SD14は 起動シーケンス起因で CF(記録媒体)の速度が そのままカメラの起動速度に反映されてしまうという
至って一般的な構造になっているのが、今回ここで述べんとしている内容の本質そのものだったりする。

一般的ってコトは 他のデジタルカメラの多くでも起こっている問題 ってコト。
各部が改良され 飛躍的に性能の改善をみた現在に於いては、更に記録媒体の性能が重要になってきているのだ。

CompactFlashメモリは、現在UDMAと云う転送規格で設計製造され市場に提供されている・・・ 転送速度では
大きなアドバンテージがあるのだが、容量のワリには物理サイズが一般的なコンパクトデジカメやスマートフォンで用いられる
SD系メモリーカードに比べて圧倒的に大きい為、一般が用いるデジタルカメラで採用されている例は、今 ほぼ無い。


では、SD系メモリーカードは? 最新のSDXCタイプで最高速でも30MB/sec・・・

あれ? ドコかで見覚えのある数値だよねww ・・・そう、CFの200倍速時代の速度に、
最近になって漸く追いついたのがSD系メモリーカードの現実なんだよ。


SIGMAで SD系メモリーカードを採用しているのは 一応コンパクトデジカメとして市場投入されているDPシリーズとなるのだが、
一眼レフレックスデジタルカメラSDシリーズと受像素子や回路規模も同じで、電源と記録媒体だけ低スペックになったって考えたら、
結果は見えてるとしか云いようがナイ・・・

SD14/15と SD1は 受像素子のサイズや解像度で 比較するのも虚しいワケだが、コト記録媒体は 同じ・・・
DPシリーズも SD1と同じ素子と回路を採用したモノが現行機種で、記録媒体はCFには遠く及ばないSD系・・・


上述に 一応コンパクトデジカメ と添えているのにも理由はある。

DPシリーズに SAマウント付けてしまえば、他社が出してるコンパクトなデジタル一眼カメラ(レフレックスではない)
を遥かに超えるモノになってしまう・・・ って、他社への配慮以上に 自社のSDシリーズの存続に関わる問題だろう・・・


だったらSDシリーズツブして、DPシリーズと統合すればイイ? 否々、ソレを不可能にしているのが、記録媒体選定問題ナンだよ。

プロやハイアマユースで、記録速度はおろか 起動速度まで遅いデジタル一眼カメラとか 誰も欲しがらないよ。
しかも、DPシリーズが最新機の形状になった理由が、バッテリー容量の確保って云うのも まぁ頷ける。

DPシリーズは、旧タイプから SDシリーズの回路を そのまま盛り込んで、レンズだけ固定にしたスタイルだ。
コンパクトデジカメのサイズに詰め込む為、バッテリーとメモリーカードのサイズを犠牲にした。
結果、起動と書き込み速度が著しく下がり、実用性が微妙になってしまった・・・


・・・ハナシが纏まりナイ? いや、伏線として必要だから仕方がナイんだよね。


SD1は SD14/15より、処理単位での消費電力は低くなっているのだが、総じると14/15より 遥かに大きくなっている。
その回路を丸々コンデジにしてしまった最新DPは、当然 過去DPシリーズのバッテリーで動作を長い時間賄うのはムリ。

SDXCでは、CFの200倍速程度しか記録速度がなく、キャッシュメモリを使い切ったら1枚分書き込み終えるまで待たされる。
確かに そのくらい 待てばイイだけなんだが、撮影1枚分だけでも SD14/15と SD1では データの規模が違い過ぎるんだよね・・・

それに加えて、起動まで遅くなってしまうのは ドウだろうか?

可能な対策として、常に電源入れておくモードにしてしまう選択肢が無くはナイ。
が、その設定だと、SD14ですら パワーグリップ(バッテリー2つ内臓可能)運用でも 精々2h程度でバッテリー切れるよ?

最良は おきつねさま同様、指定時間でスリープするよう設定して運用するコトになるだろうね。
ソレなら、枚数以上の電力抑制は出来るので、2week位は放置してても使える・・・ スマホなんかの待機時間と同じだね、要は。

で、スリープから撮影可能になるまでの時間ってのが 最大の懸念点となる・・・ コレも起動シーケンスに依存して大きく変わる。
他社製の他のデジイチがドウかは知らないが、SIGMA SDシリーズの場合は、電源を入れた操作を行った時と同じ手順が処理される。


漸く本文に辿り着いた感じかなw


SDシリーズは、電源を入れられると システムが起動し、記録媒体を確認する・・・ 要は、CFを読みに行くワケだね。
ココが肝、書き込み速度が遅い記録媒体は 読み込み速度も当然遅い・・・ このルーチンを処理すると時間が掛かるってコト。
コレが運用利便性を左右する 起動速度の著しい低下の 最大の要因になってるんだよね・・・

だが、前述にもあった通り、起動時間の実測はしてない・・・
しろよ? まぁ ごもっともな意見だ。 が 指標があるので必要がナイんだよw


SD14に限らず、メモリーカードへのアクセス実行で 点滅するLEDなり表示なりが付いてたりするモノだ。
で、規則正しいパターンで点滅する・・・ SD14でも御他聞に漏れず、起動時のCF確認時に点滅する。

ソレが、200倍速CFでは 5回ないし6回点滅し、600倍速のでは 2回目点滅するか否かでチェックを終えて撮影可能になっている・・・
この明らかな差を単純に診て 実質3倍体感で速い と述べたワケだ。

ベンチマークの速度なんぞ この結果に比べたら大して意味はナイんだよね。
使った感じが速くならないなら、その差を一般人が理解するコトはナイんだからなぁ・・・

コノ手の商品売るって場合、使うモノのベンチマークの取り方を知ってる連中だけ相手にしてたら、とても開発費をペイ出来んのよ。


で、もっと大容量で高速な書き込みを必要とするSD1の回路を丸まる踏襲している 最新のDPシリーズでも、
レンズ固定のコンデジに甘んじてる状況ってのは ぢつに理解し易いトコロだ。

低速なSD系記録媒体最新鋭のSDXCとか使ってる 最新DPシリーズを他社製のレンズ交換式のコンパクトな一眼スチルカメラと競合させるのは、
余りにリスキーだからねぇ・・・ しかし、布石は敷いているのかな、コンデジにパワーグリップを提供したメーカーなんて 他にナイからなぁw

まぁ、消費する電力の大きさを賄う為の苦肉の策ってのも事実だろうが、
SAマウント付いた レンズ交換可能なDPシリーズ登場ってのもあるんだろうか・・・

んー 正直 一眼レフでナイ(ミラーとペンタプリズムを用いた光学ファインダのナイ)一眼スチルカメラとか要らんのだがなぁ・・・(;-_-)




・・・最後に、SD14と 壊してしまったレンズまで 適宜修理して貰ったSIGMAに、心から感謝したいと思う。
また、今後の製品についても注視したいと思う・・・ SD14を最初に知った時と同じくらいの驚きを また味わえると期待したい。

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